👵『乳酸菌とビフィズス菌って何が違うの?』
👩『ミヤBMとビオスリーは一緒?』
整腸剤というと何を思い浮かべますか?
処方箋医薬品には『耐性乳酸菌』『ラクトミン』『ビフィズス菌』『酪酸菌』『糖化菌』があります。
今、飲んでいる整腸剤にはどれが含まれていますか?
今回は、整腸剤に含まれる菌の種類、役割について紹介します。
整腸剤に期待される効果は…?
整腸剤には期待される効果は『腸内菌叢の異常による諸症状の改善』です。
文字通りですが、腸内環境を正常化することで症状を改善することが求められています。
その他にも以下のような効果が期待されます。
- 宿主免疫応答の修飾
- 腸管内の物質代謝と栄養素の保管および吸収改善
- 産生されるバクテリオシンや有機酸による腸管感染症の予防および知用効果
- 免疫応答および短鎖脂肪酸の産生による腸管内の炎症や潰瘍の抑制作用
- 発がん関連酵素の活性低下による大腸がんの予防または治療効果
デメリット・過剰な場合には以下のようなリスクがあります。
- 腹部不快感
- 下痢
- 腹部膨満
- 過度の放屁
- 栄養素の吸収不足
腸内細菌はどれだけとっても問題ない。と思っている方もいる方思いますが、上記のようなデメリットもあるので体調変化がある場合は、ほどほどにしておきましょう。
腸内細菌の種類と役割
処方箋医薬品に含まれる成分と働きについて紹介します。
医薬品に含まれている腸内細菌の種類は『ラクトミン(乳酸菌)』『耐性乳酸菌』『ビフィズス菌』『糖化菌』『酪酸菌(宮入菌)』の5種類があり、効能・効果としては『腸内菌叢の異常による諸症状の改善』となっています。
それぞれの大まかな特徴は下記の通りです。
ラクトミン(乳酸菌)
小腸~大腸で増殖し、乳酸を産生。腸内環境を弱酸性の状態とし、有害菌の発育を抑制します。
耐性乳酸菌
『抗生物質、化学療法剤』に耐性のある乳酸菌です。
効能・効果は『抗生物質、化学療法剤投与時の腸内菌叢の異常による諸症状の改善(ペニシリン系、セファロスポリン系、アミノグリコシド系、マクロライド系、テトラサイクリン系、ナリジクス酸)』となっています。
※『ラックビーR散』の添付文書には『テトラサイクリン系』が含まれていないので注意してください。
ビフィズス菌
小腸下部~大腸で増殖し、乳酸・酢酸を産生します。
腸内を弱酸性にすることで有害菌増殖の抑制と腸管運動促進作用が期待されます。
糖化菌
芽胞を形成し、小腸上部で増殖。消化酵素である「アミラーゼ」を産生し、デンプンを糖に分解します。また、乳酸菌やビフィズス菌の増殖を促進するため、単独ではなく併用でも使用されます。
酪酸菌(宮入菌)
芽胞を形成し、大腸で増殖し、酪酸・酢酸を産生。
有害菌の増殖を抑制し、腸内環境を整えます。
(おまけ)医薬品に含まれる腸内細菌と量について…
いわゆる『整腸剤』。同じ菌種でも様々の製品があります。
複数種類の合剤もあるので、ご自身が何を服用しているか確認してみましょう。
(単独)耐性乳酸菌
・ビオフェルミンR散 → 6.0mg/g
・ビオフェルミン錠 → 6.0mg/錠
・ラックビーR散 → 10mg/g
・レニベン散 → 18mg/g
・レニベン錠 → 18mg/錠
(単独)ビフィズス菌
・ビフィスゲン散 → ビフィズス菌20mg/g
・ラックビー微粒N → ビフィズス菌10mg/g
・ラックビー錠 → ビフィズス菌10mg/錠
・ビオフェルミン散剤 → ビフィズス菌12mg/g
・ビオフェルミン錠剤 → ビフィズス菌12mg/錠
(合剤)ビフィズス菌・ラクトミン(乳酸菌)
・ビオスミン配合散 → ビフィズス菌4.mg/g、ラクトミン2.0mg/g
・レベニンS配合散 → ビフィズス菌2.mg/g、ラクトミン2.0mg/g
・レベニンS配合錠 → ビフィズス菌2.0mg/錠、ラクトミン2.0mg/錠
(単独)ラクトミン(乳酸菌)
・ビオラクト原末 → ラクトミン1g/g
・ラクトミン末「マルイシ」 →ラクトミン1g/g
・ビオヂアスミンF-2散 → ラクトミン1g/g
・ラクトミン散「イセイ」 → ラクトミン1g/g
・アタバニン散 → ラクトミン50㎎/g
(合剤)ラクトミン(乳酸菌)・糖化菌・酪酸菌(宮入菌)
・ビオスリー配合散 → 1g中:ラクトミン10mg、酪酸菌50mg、糖化菌50mg
・ビオスリー配合錠 → 1g中:ラクトミン2mg、酪酸菌10mg、糖化菌10mg
・ビオスリー配合OD錠 →1g中:ラクトミン2mg、酪酸菌10mg、糖化菌10mg
(単独)酪酸菌(宮入菌)
・ミヤBM細粒 → 酪酸菌40mg/g
・ミヤBM錠 → 酪酸菌20㎎/錠
まとめ
今回は整腸剤について紹介しました。
複数種類と一緒に接種することでさらなる効果が期待できる場面もあります。
医薬品以外にも、飲料やヨーグルトなど身の回りに様々な腸内細菌が存在します。
どのように体内で影響しているのか知るきっかけになれば幸いです。
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