『最近、寝れないなぁ…』
『寝足りない感じがある…』
『睡眠薬ってどうなんだろう…』
『この眠剤、イマイチ…』
一般成人の30~40%に不眠症状があり、身近に不眠で悩んでいる方がいてもおかしくありません。
今回は、『不眠・治療薬のタイプ・辞め方』をお話します
あなたの不眠はどのタイプ?
不眠症状といっても【4つのタイプ】に分類されることをご存じでしょうか?
あなたの不眠は次のどのタイプですか?
入眠障害
布団に入ってから30分~1時間など、寝るまでに時間がかかることはありませんか?
『寝る時間なのに…』
『早く寝ないと起きれない…』
このような不眠のタイプを【入眠障害】といいます
中途覚醒
夜中に目が覚めて、再び寝るまで時間がかかることはありませんか?
『うるさくもないのに、何度も目が醒めてしまう』
『もう一度寝るのに時間がかかる』
このような不眠のタイプを【中途覚醒】といいます
早朝覚醒
予定の時間よりも早く目が醒め、再入眠できないことはありませんか?
『予定より数時間早い』
『もう一度寝られない』
このような不眠のタイプを【早朝覚醒】といいます
熟眠障害
沢山寝てるはずなのに寝足りないと感じることはありませんか?
『寝た気がしない』
『睡眠の質が悪い』
このような不眠のタイプを【熟眠障害】といいます
不眠症に使われるクスリは次の3つ
『どれも眠くするクスリでしょ?』
大きく3つの働き方があり、『眠くする』以外にも『睡眠リズムの調整』に関わるクスリもあります。
①睡眠中枢に作用し、眠気を強める『ベンゾジアゼピン受容体作動薬』
②覚醒を抑制し、睡眠に傾ける『オレキシン受容体拮抗薬』
③体内時計に作用する『メラトニン受容体作動薬』
古くから多く使われているのがベンゾジアゼピン受容体作動薬であり、以下の2つに分類されます
『ベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZ)』
『非ベンゾジアゼピン受容体作動薬(非BZ)』
『BZ』は『依存・認知機能低下・筋弛緩』などの報告があり、そのデメリットを軽減した『非BZ』が登場しました。
2010年頃に新しく登場したのが、『オレキシン受容体拮抗薬』と『メラトニン受容体作動薬』
睡眠覚醒の主要な調節因子として考えられている『オレキシン』、睡眠覚醒リズムに関与する『メラトニン』に対するアプローチが追加されました。
これまでの副作用のリスクが少ないのではないか?と考えられており、薬剤選択の幅が広がっています。
辞め方・中止の仕方は…?
急に辞めてしまうと不眠が薬を始める前以上に悪化してしまう『反跳性不眠』になってしまうケースがあります。長期間、眠剤を飲んでいる方は、急に中止しないようにしましょう。
長期間(1か月以上毎日など)使用している方で中止する場合、以下の4つの方法が主に用いられます。図では簡単に示せますが、実際に減量・中止することは非常に困難であることが多いです。
辞め方①:【漸減法】徐々に減らして中止する
辞め方②:【隔日法】飲む日、飲まない日の間隔を空けて中止する
辞め方③:【置換法】違う薬剤(中止しやすい薬)に変更後【漸減法 or 隔日法】
辞め方④:【漸減法+隔日法】①②の組み合わせで徐々に減らして中止する
まとめ
今回は『不眠のタイプ』『不眠症治療薬の働き方』『辞め方・中止の仕方』についてお話しました。
最後に…不眠症は【不眠症状】+【日中症状】(イライラ、集中力低下、ウトウトなど)の2つが合わさった状態のことを言います。
眠れなくて悩んでいる方は、不眠症治療薬・眠剤の種類も増えています。
薬を毛嫌いせずに、ご自身の【不眠のタイプ】を把握して一度受診してみてください。
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