【病気の日?】シックデイをご存じですか?

クスリ関連

糖尿病患者さんであれば『シックデイ』と行く言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?
では、身近に糖尿病患者さんのいる皆さんはいかがですか?

『シックデイ(病気の日)どのようなことが起こっているの?』
『どのようなことを気に掛ければいい?』
『受診した方がいいの?』

いつもと違うと焦ってしまいます。
事前にシックデイについてのポイントを押さえておきましょう。

シックデイ(病気の日)とは…?

糖尿病の方が+α(風邪・インフルエンザ・ノロウイルス・肺炎など)で体調を崩し、普段のように食事をすることができなくなった状態のことを指します

血糖値が乱れやすく、コントロールが困難な状況となり『高血糖』『低血糖』と普段とは違った動きを見せるので、クスリの調整が重要となってきます

高血糖に…?

感染症は身体にとってストレス(負担)です。その結果、トレスホルモン(コルチゾールやアドレナリンなど)が分泌され、血糖値が高くなります。

加えて、インスリン分泌や働きも悪くなるので、想像以上に血糖値が高くなることがありあります。

低血糖に…?

身体のストレス(負担)による『高血糖』を前項に記載しましたが、低血糖となることもあります。

その理由は簡単で、以下の2つが重なることで生じます
『食事が摂れない(いつもより少ない)』
  
 
『クスリの服用』

シックデイでは、自分の血糖値がどちらに傾いているのか。理解することが重要となります。

病状を知るための自己チェック!

受診するか医師に相談するにも、現状を伝える必要があります。
そのためにも、体調が悪いと感じたら、下記項目をいつも以上に確認してください

✅血糖値:なるべくこまめに(3~4時間に1回)
✅検温
✅血圧・脈拍
✅体重
✅食事量:絶食・吐き戻してしまう・いつも通りなど
✅自覚症状の有無:嘔吐・下痢など

特に、『血糖値』『食事量』はクスリを継続するか、中止するか重要な判断材料となるので、確認しましょう。

クスリはどうするの…?

原則として、インスリン注射は自己判断で中止しないでください。
飲み薬は『食事量』『体調』に応じて変更することが多いですので、参考程度にしてください。

※これから記載する内容はあくまで目安になります。
自分はどうすべきなのか、主治医に事前に確認しておきましょう。

飲み薬

◎SU薬
◎グリニド薬

 ⇒食事量が1/2程度の時は『半量』
 ⇒食事量が1/3以下の時は『中止』

◎αグルコシダーゼ阻害薬
◎ビグアナイド薬
◎SGLT2阻害薬

 ⇒『中止』

◎チアゾリジン薬
 ⇒食事量が1/2以下の時は『中止』

◎DPP-4阻害薬
 ⇒吐き気・嘔吐等がある場合は『中止』
 ⇒食事量が1/2以下の時は『中止』

注射

◎インスリン注射
自己判断で中止しないでください。
特に1型糖尿病の方は『ケトアシドーシス』の危険性があります。
⇒中間型・持効型インスリンは『継続』

◎GLP-1受容体作動薬
 ⇒嘔吐、下痢、腹痛が強い場合は『中止』
 血糖自己測定値を参考にインスリン療法へ切り替えも検討

◎GLP-1と持効型インスリンの配合剤
 ⇒持効型インスリンへの切り替え検討

必ず守ってほしいシックデイ・ルール

①温かく安静を心がける
②食事や水分(1ℓ以上)をできるだけ摂る
③病状(血糖値・体温)をこまめにチェック
④自己判断でインスリン注射を中止しない
⑤早めに主治医と連絡を取る

患者さんによって対応が異なります。事前に『シックデイ』について先生に確認しておきましょう。

食事・水分補給のポイント

◎食事
とにかく、絶食にならないようにしましょう。
消化の良い炭水化物がオススメです。
食欲がない時は、一時的に味を濃くして工夫することも検討してください

✅食欲があるときは
うどんなどの麺類、おじや、シチュー、果物
✅食欲がないとき
おかゆと梅干、アイスクリーム、ゼリー

⇒体力をつけようと、食べ過ぎるのは禁物!

◎水分
水分は1ℓ以上を目安に、2~3時間に1回は飲むようにしましょう。
常温、体温に近い水・お茶がオススメです。

✅脱水予防に
たっぷりの水:1~1.5ℓ
野菜スープ・みそ汁
(ジュース・スポーツドリンク)

⇒当分を多く含むジュース・スポーツドリンクだけでの水分補給は逆効果!

『食事・水分を摂れない』こんな時はすぐに医療機関へ!

こんな時は迷わず受診しましょう

ご自身で判断せず、医師に連絡して指示を受けることが大切です。
ただの風邪と思っても、糖尿病の方は重症化しやすいため、以下の場合は相談・受診しましょう。

✅発熱が続くとき
✅嘔吐・下痢などの消化器症状が2日以上続くとき
✅食事を全く摂れない、ほとんど摂れないとき
✅血糖値が350以上が続くとき
✅クスリの量で判断に迷うとき

こんな時は、入院治療かも…?

✅高熱・嘔吐・下痢が止まらず、食事・水分が全く摂れないとき
✅尿ケトン体が強陽性、血中ケトン体高値
✅血糖値が300以上の高血糖が続くとき

まとめ

今回は『シックデイ』についてお話しました。
事前に自分の薬を知り、体調不良時の対処方法について主治医に確認しておきましょう。

体調が悪い場合は、無理せず電話・受診しましょう。
正確な状況判断のためにも、自己チェックポイントを確認しておくとスムーズです。
✅血糖値:なるべくこまめに(3~4時間に1回)
✅検温
✅血圧・脈拍
✅体重
✅食事量:絶食・吐き戻してしまう・いつも通りなど
✅自覚症状の有無:嘔吐・下痢など

糖尿病患者さんが身近にいる方も『シックデイ』について理解が深まれば幸いです。

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