処方箋医薬品を受け取る前に
『ジェネリック医薬品で準備してもよろしいですか?』
『先発品がないので、後発品でもいいですか?』
と確認されたことはありませんか?
そして、『よくわからないまま』回答していませんか?
今回は飲み薬を中心とした後発品・ジェネリック医薬品について『推奨されている理由』『先発品との違い』についてお話します。
なんで後発品(ジェネリック)が推奨されるの…?
そもそもなぜ、後発品が推奨されているかご存じですか?その理由は大きく2つ
①患者負担を下げる
②医療費を下げる
先発品は創薬から始まるため、開発費が数百億~数千億円となります。
一方、後発品(ジェネリック)は創薬が必要ないため、開発費が数億円で済みます。
薬価では、後発品は先発品の50%以下
化学合成で作られるバイオシミラーは70%以下となります。
先発品と後発品は何が違うの…?
前提として、先発品と後発品で全く一緒なのが『有効成分』です
違う可能性があるのは形状、大きさ、色、味、添加剤などがあります
アレルギーのある方では、添加剤によってはアレルギー反応を引き起こす可能性があるので注意が必要となります
添加剤とは…?
添加剤は,製剤に含まれる有効成分以外の物質で,有効成分及び製剤の有用性を高める,製剤化を容易にする,品質の安定化を図る,又は使用性を向上させるなどの目的で用いられる.製剤には,必要に応じて,適切な添加剤を加えることができる.ただし,用いる添加剤はその製剤の投与量において薬理作用を示さず,無害でなければならない.また,添加剤は有効成分の治療効果を妨げるものであってはならない.
第十八改正日本薬局方 製剤総則 [1]製剤通則 (6)
『同等』って何が一緒なの…?
よく説明を受ける時にこんなことを言われたことはありませんか?
『先発品と効果同じなんです』
『先発品と同等の薬で安いんです』
飲み薬の後発品(ジェネリック)では以下の4つ試験で『品質』『効き目』『安全性』を評価しています
品質試験
有効成分の含有量、不純物の程度が同レベルであるか確認
それを保証するため、有効成分の確認試験、含量規格、純度試験等を行います
溶出試験
先発品と同様に規定時間内に溶け出すか確認。
体の中で起こる薬の溶け方を再現している試験です。水または胃液や腸液等と同じpHの試験液を入れたガラス管内の温度を37℃に保ち、溶け方を調べます。
安定性試験
通常よりも過酷状況で保存し、品質変化が起こらないことを確認。
最終包装された状態で、40℃、75%の相対湿度で6カ月間保存する加速試験を行い、有効成分の含有量や不純物の程度などが『品質試験』の範囲内であることが必要となります。
この結果から、通常の保存条件下で3年間安定であると判断されます。
生物学的同等性試験
ヒトでの『有効性』と『安全性』が同レベルであるか確認。
同等性の判定は、主として血中濃度推移が先発品と同等であれば、同等の臨床効果を発揮するという考えに立っています。
判定の基準は、先発品に対して80%~125%の範囲外は市場に出回らないようになっています
後発品を好む人がいる…!?
『先発品以外飲まん!』という方もいますが、反対に『後発品でてないの?』と後発品を好む方も一定数います
先ほどのお金の部分も選択理由にありますが、その他の点からも後発品(ジェネリック)が選択されることがあります
飲みやすいように工夫されています!
後発品(ジェネリック)には先発品で使用されていた時のお困りごとを解決すべく、様々な工夫がされています
✅錠剤のサイズ: 大きい ⇒ 小さい
✅種類・量: 例)先発品10mgの1種 ⇒後発品 10mg 5mg 2.5mgの3種
✅剤形の変更: 例)錠剤 ⇒ 口腔内崩壊錠、ゼリー、細粒など
✅味やにおい: 例)苦みを隠す、イチゴ・オレンジなどの味を追加
✅わかりやすく: 例)色を変える、錠剤に名称を記載
おまけ:オーソライズドジェネリック(AG)について
オーソライズドジェネリック(AG)をご存じですか?
最後に簡単にAGについてお話します
特許切れの前に、先発品メーカーから許諾(オーソライズド)を得て作成される後発品(ジェネリック)のことです。
AGにも数種類あり、画像の通りです
正直なところ即座にAG1がどれか答えられる自信はありません
まとめ
今回は後発品(ジェネリック)について解説しました
先発品との同等性がなければ世に出回ることはありません
良くないニュースが目立っていますが、過度に不審がらずに使用いただければと思います
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