医薬品にも含まれる着色料『赤色3号』って何?

クスリ関連

2025年1月15日に使用許可の取り消しが公表された『赤色3号』ですが、医薬品にもしようされることがあります。ニュースやSNSでも取り上げられた内容なので…

『医薬品に含まれる着色料は大丈夫なの?』
『どのような医薬品に含まれるの?』

といった質問をいただくことがあります。

今回は『医療用医薬品に含まれる赤色3号』を中心としてご紹介していきます。
大前提として、今回、新たに『赤色3号』の危険性を示すデータが登場したわけではありません。『デラニー条項』に反していたため、認可取り消しとなっただけです。繰り返しますが、ヒトに対して悪影響があるといった新情報はありません。

  • デラニー条項とは…
    米国連邦食品医薬品化粧品法(The United States Federal Food, Drug, and Cosmetic Act)に1958年に追加された条項で、「動物やヒトにがんを引き起こすと考えられる物質は食品添加物として使用できない」とされている。
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赤色3号ってそもそもなに…?

名前の通り、赤色の着色料の1つであり、昭和23年(1948年)から添加物として指定されています。

ラットを用いた実験が行われており、赤色3号の濃度が異なる餌(0%、0.1%、0.5%、1%、4%)を与えたところ、『甲状腺濾胞細胞腺腫とがん』がオスの4%群で有意に多かったという結果が出ています。1%までの濃度においては用量相関は認められませんでした。加えて、ラット試験で現れた甲状腺への影響はヒトや他の動物では当てはまらないことから、ヒトの健康に影響を及ぼすことはないとされています。

試験の結果からヒトとラットの甲状腺の生理学的差を考慮し、生涯毎日摂取しても健康に悪影響がないとされる1日摂取量(ADI:1日摂取許容量)は『0~0.1mg/kg/日』と設定されています。

『赤色3号』はお菓子や漬物、かまぼこ、砂糖漬け果実、ソース、食肉製品、ガムといった製品の一部に使用されています。令和5年度の消費者庁の調査では、一般的な食生活の日本人が1日あたりに摂取する赤色3号は『ADIの0.048%』と下回っていることから、日本人の摂取量は少ないことが分かっています。

どんな医薬品に含まれる?

令和7年2月では91の医薬品に『赤色3号』が含まれています。代表的な医薬品には下記が挙げられます。

【製品名「メーカー(後発品の場合)」(有効成分)】
【フェロ・グラデュメット錠105mg(乾燥硫酸鉄)】
【センノシド錠12mg「サワイ/ツルハラ/YD」(センノシド)】
【ハルシオン錠0.125mg(トリアゾラム)】
【トリアゾラム錠0.125mg「日新/CH/TCK」(トリアゾラム)】
【メコバラミン錠500μg「杏林/TCK」】

【ユベラNカプセル100mg(トコフェロールニコチン酸エステル)】
【オースギ安中散料エキスT錠/コタロー安中散エキスカプセル(安中散エキス)】

1点注意していただきたいのが、『メーカーによって添加物が違う』ことがあるため、一概に『有効成分●●には赤色3号が入っている』とは言い切れません。また、『赤色3号』が入っていても他の着色料も含まれることがあるため、必ず赤になるとは限りません。例えば、ユベラNカプセル100mgは赤いに近いピンク、漢方のコタロー安中散エキスカプセルは青と黄色です。

医療用医薬品に含まれる「赤色3号」は安全?

医薬品に使用される『添加物』は、『通常使用される医薬品の投与量で薬理作用を示さず、無害であるもの(アレルギーなどの有害反応の可能性はある)。また、添加物によって有効成分の効果を妨げないものとされています。』

日本で使用前例のある医薬品添加剤については『医薬品添加物辞典』にまとめられています。投与経路や最大使用量の範囲であれば、特別なデータの提出は不要です。このデータは厚生労働省が使用実態調査を行い、その結果から作成された公的に示されたものとなっています。基本的に『辞典』に収載されている範囲内で添加剤が選択されます。

使用前例がない添加剤を使用する場合には、以下のような資料・データを厚生労働省に提出し、審査を受け承認される必要があります。
起源又は発見の経緯及び外国における使用状況等に関する資料
製造方法並びに規格及び試験方法に関する資料
安定性に関する資料
毒性(単回投与、反復投与、生殖発生、遺伝)に関する資料
(必要に応じて)局所刺激に関する資料(皮膚一次、累積刺激、眼粘膜刺激、ヒトパッチテスト)等

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まとめ

今回は『医薬品に含まれる赤色3号』について紹介しました。
米国では使用許可の取り消しがされましたが、ヒトに対する新たなデータや実害が発生したわけではありません。

今回の決定について、『赤色3号』で確認されたオスラットにおける発がん性の発生機序はラット特有であり、ヒトや他の動物の試験では同様の現象が確認されていません。赤色3号の使用がヒトの健康に影響を及ぼすという主張は科学的に裏付けされたものではないことが示されています。

通常の食生活であればADI(1日摂取許容量)を越える心配はほとんどないので、極端に避ける必要はありません。

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