ステロイドってなに?

クスリ関連

ステロイドという単語を耳にしたときに、どのような印象をいだきますか?
『塗り薬でしょ…』
『炎症を抑えるって聞くけど…』
『怖いクスリ!』

ステロイドは上手に使えば、非常に効果期待できるクスリです。『怖い』イメージを少しでも払拭できればと思っています。

今回はステロイドの『基礎知識、飲み薬の注意点、中止の仕方』についてお話します。

ステロイドとは…

ステロイドとは、腎臓の上端にある副腎から作られるホルモンの1つであり、生命維持に必須なホルモンと言われています。
『糖代謝』『脂質代謝』『蛋白代謝』『水・電解質代謝』『骨・カルシウム代謝』『免疫抑制作用』『抗炎症作用』などの働きを有するほか、神経系、循環器系など生体の多くの機能に関わっています

『免疫抑制作用』『抗炎症作用』の2つに期待して医薬品として使用されています。

ステロイドの剤形は?

ステロイドは、【経口剤・外用剤・注射剤】などの様々な形で全身に役立てられています。
部位と剤形は次の通りです。

皮膚:軟膏、クリーム、ローション、スプレー、テープ、ゲル剤
気管支:吸入剤
眼:点眼薬、眼軟膏
耳:点耳剤
鼻:点鼻剤、噴霧剤
口腔:口腔用軟膏
直腸:注腸剤

その他:静脈内注射、局所注射

どんな病気に使われる?

ステロイドの適応症を記載しようと思いましたが、多岐に渡るため記載しません
参考程度に下記URLの『プレドニン錠5㎎』の効能・効果をみてください。飲み薬だけでも多くの病気にステロイドが使われていることが、わかると思います。

プレドニン錠5mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)|日経メディカル処方薬事典
プレドニン錠5mg(一般名:プレドニゾロン錠)の薬効分類・副作用・添付文書・薬価などを掲載しています。「処方薬事典」は日経メディカルが運営する医療・医薬関係者向け医薬品検索データベースです。

今回は『経口薬でのステロイドの注意点』について紹介します。

長期的な使用は大丈夫?

ステロイドは非常に効き目が良い反面、『デメリット』もあります。
使い続けていると『感染しやすい』『骨密度の低下』『糖尿病の悪化』なども生じてきます。

避けることができない副作用もありますが、対策することで、副作用を軽減することができます。また、治療後に改善される副作用もあります。気になることがあれば、医師・看護師・薬剤師に相談してください。

【飲み始めから】
1.高血糖
2.高血圧
3.胃腸の症状
4.不眠
5.体重増加
6.眼圧の上昇(緑内障の悪化)

【数週間以上から】
1.感染症
2.骨粗しょう症
3.高コレステロール血症・資質異常症
4.満月様顔貌(ムーンフェイス)、肥満
5.白内障の進行
6.皮膚症状

ステロイド中止の仕方

長期間(2~4週間)ステロイドを飲まれている場合『ステロイド離脱症候群』に注意が必要です。
外から取り込まれることによって過量となっていたステロイドが体内で適切な量分泌されなくなることによって生じます。

症状は多岐に渡ります。具体的な症状として、倦怠感、吐き気・嘔吐、頭痛、下痢、発熱、低血圧、低血糖、関節痛など挙げられ、命に関わる可能性もありますので、自己判断で中止しないでください。

中止する場合には、徐々に減量していく必要があります。副作用の発生状況や血液検査の結果なども考慮しながら、中止していきます。

・中止したい場合
・ステロイドと知らずに飲んでしまっていた場合

上記のようなケースでは、必ず医療関係者に相談するようにしましょう。

まとめ

今回はステロイドの『基礎情報・注意点・中止の仕方』について解説しました。

最初にお伝えしたように、ステロイドは『生命維持に必須なホルモン』です。『免疫抑制作用』『抗炎症作用』への効果が期待できるクスリです。しかし、飲み薬では副作用も付きまといます。
『怖い』だけのクスリではないことを知っていただければ幸いです。

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